丘の上の静かな森
先日、地元・平針にあるお寺の境内を散策してきました。
名古屋市教育委員会作成の案内文によると、大同4 (西暦809) 年に京都御所が炎上した際、鎮火祈願を行った遠州秋葉山の三尺坊尊が、帰りにこの地に立ち寄って創建。永禄3 (同1560) 年に織田信長が桶狭間の戰いの戦勝祈願をここで行い、見事成就したため、三尺坊尊の像を寄進したとの事。
幕末から明治にかけては、修験霊場としても信仰されたそうです。
南側の参道入口です。
この位置から見て背後には、針名神社の車両お祓いの入口があり、なだらかな坂道の右側は墓地、左側は駐車場になっています。
参道の途中、左に逸れる小道に入って行くと、このお堂があります。
鍵が掛かっていて中には入れませんが、ガラス窓越しに、蛇石が祀られているのが見えました。
扉の横に、御真言 が書かれた板が貼り付けられています。
【徳叉迦龍王の御真言】「おん・めきしゃに・そわか」
御真言とは、仏様のお言葉を、お経の様に漢字に訳すのではなく、原典であるサンスクリット語の発音をカナで表したもの、という事になる筈です。
階段の先に、本堂らしき建物の屋根が見えます。
そして頂上に到着!
こちらが本堂です。
本堂に祀られているのは、秋葉三尺坊大権現 と 毘沙門天 。
【秋葉三尺坊大権現の御真言】「おん・ひらひら・けんぴら・けんのう・そわか」
【毘沙門天の御真言】「おん・べい・しらまんだや・そわか」
権現様は、インド由来ではない日本独自の仏様のはずなので、御真言というのは先ほどの説明と矛盾していますが、ちょっとよく分かりません。
それよりも、権現様は御嶽神社の御祭神でもあり、入口の案内看板にも"御嶽神社"の名前があったので、こちらのお寺は隣の針名神社よりも、ここから700m程北西にある小さな 御嶽神社 と関係がある様ですね。ここが修験霊場とされた所以でしょうか。
左手に大太鼓が鎮座しています。
「本年は、まめで、くろじになるよう、大たいこを三回打って、黒豆を自分の年の数だけ祈念して、三宝へうつして下さい。」と案内が書いてあり、手前に、バチと黒豆が用意されていました。
本堂に向かって右手にあるお堂に祀られているのは、聖観世音菩薩 と 十一面観世音菩薩 。
【聖観世音菩薩の御真言】「おん・あろりきや・そわか」
こちらの正面右手には、他では見た事が無い、四角い太鼓があります。
御利益は、「家の四隅を払って、福は内、鬼は外。厄よけ・入学成就・家内安全・身体健全・交通安全・七難即滅・七福即生を祈念して、たいこを三回打って福豆自分の年の数だけ、三宝へうつして下さい」との事。
そのまた右隣の小さなお堂は、八代龍王 を祀っています。
こちらの建物は傷みが酷く、近づき過ぎないよう、注意書きがありました。
ここで背後を見ると、「奥之院 大日大聖不動明王 →」の看板が目に入りました。
まずこのお堂があります。
こちらに祀られているのは、大天宮小天宮七十五善神 。
こちらは、説明や御真言などはありませんでした。
不動明王 |
こちらが、不動明王 を祀るお堂。
【不動明王の御真言】「なうまく・さんまんだば・ざら・だーかん」
住宅地の中の小さな丘ですが、沢山の樹木に囲まれているという事もあり、静謐で心休まる場所でした。
丘の西側にある、車での参拝用の参道を下りて行くと、慈眼寺のものと針名神社のものと、二つの碑が道を隔てて立っていました。
平針駅からは、こちらの入口の方が近いです。
秋葉山 慈眼寺
注) 大根は "だいこん" ではなく "おおね" です、念の為。
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