10月 23, 2019

朝潮運河今昔

朝潮運河周辺を散策


今回の旅行中、東京でちょっとした散歩をした。
湾岸地域、特に月島と晴海の埋立地の間にある、朝潮運河周辺である。
この辺りは2003年から2004年にかけてよく仕事で訪れた地域で、その頃の写真が数枚、僕のPCの中にずっと残っており、その写真に写っている場所の現在の姿を見てみたいとずっと思っていたからである。

朝潮水門
朝潮水門

朝潮運河を端から端まで知っているかと言われると、実際はそうでもない。
良く歩いたのは黎明橋公園辺りから下流、運河で "下流" はおかしいか。より外海に近い側なので、せいぜい半分ぐらいである。
そんな訳で今回も、月島駅まで地下鉄で来てそのまま黎明橋公園に向かった。
黎明橋公園に向かうのは良いが、月島駅からなら一番奥の朝潮大橋に出て運河沿いに歩いてもさして回り道ではないのに、僕はなぜか都道463号線を歩き始め、途中から路地に入って月島第一児童公園でトイレを借りたりして、二つ目の橋である朝潮橋で初めて運河に出た。
朝潮橋を渡りながら運河の風景を眺めていると、不思議なものが目に入った。月島側の護岸に沿って並ぶ、川水の溜まった筒である。
あれは一体何なのだろう?
同じ様なものを確か東雲水門付近でも見た事があるのだが、水質調査か何かなのだろうか?
それはともかく次の晴月橋を過ぎ、トリトンブリッジと、晴海通りを渡す黎明橋の向こうに、目指す黎明橋公園はあった。

入口
黎明橋公園

それは、想像していたよりもずっと整備された、広く明るい公園で、枝を広げ、葉を茂らせた木々が作る影が心地良い公園だった。

園内

そしてなおこれからも手を加えられていく様で、工事業者が入り、芝生の上に土を撒くなどの作業が進められていた。

園内

この付近は朝潮運河に沿って高層マンションやオフィスビルが幾棟も建設され、ショッピングモールもあって昼夜を問わずかなり人口が多い地域の様である。
多くの人がトリトンスクエア方向からこの公園に入って来て、また広い道路に抜けて行っていた。

園内

大きなグラウンドの様なスペースも設けられていて...

トリトンスクエアを見上げる
トリトンスクエアを望む

そこから見上げるトリトンスクエアの渡り廊下の危なっかしさも面白い。

園内

昔、僕がここの写真を撮った頃は、トリトンスクエアは既にあったが他の高層マンション群はまだ工事が始まってもいなかったと思う。


2003年当時の黎明橋公園
2003年当時の黎明橋公園

こんな具合だ。
この写真に写っている公園が黎明橋公園だという確証は、実は無い。盛り土の形や遊具も違っている。
ただ、記憶にある位置と雰囲気が合致するというだけで、実は今回実際に訪れてみて、あまりの人の多さに「こことは違うんじゃないか?」と思ってしまっている。
この頃のこの公園はもっと錆びれた様な、寂しさを湛えた感じがあり、お世辞にも都会的で煌びやかな雰囲気を感じ取ることは出来なかった。正直、こんな広い公園を造るほど、この辺に人が住んでいるのだろうか?などと思っていたくらいである。

2003年当時の黎明橋公園

写真でも分かる通り、当時もやはり工事中で、その為にそんな印象を持ってしまったのかも知れないが、同じ工事中でも雰囲気は全く違っていたのである。
そして、何となくそんな雰囲気に僕は惹かれていた。
ずっと、いつかこの写真の場所を探し当てて訪れてみようと思っていたのは、そのせいに他ならない。


黎明橋公園からトリトンスクエアを見上げる

やっと写真の場所に来ることが出来たという充実感と、随分綺麗に、にぎやかになったものだという拍子抜けした気持ちが半々というのが本音である。


さて、続いてはもう一つ海側にある黎明大橋を渡ってみよう。
ひとつ手前の黎明橋と比べ、幅はそう大差は無いが、晴海通りを渡す黎明橋に比べ、環二通りを渡すこの大橋は作りがやたら重厚で、橋の手前から立ち上がってアーチ状になっており、広く綺麗な歩道も整備されている。
そして橋のすぐ下流側には朝潮水門があり、歩道から間近に見下ろす事が出来るのである。

朝潮水門

水門の役目を正確に知っている訳では無いが、力強さはひしひしと感じられる。
船舶がぶつかった場合などの為の、埠頭にある様な樹脂製のガードが張り巡らされた水門。このガードは、水門を守る為というよりは船のダメージを少しでも軽減する為のものである気がする。

朝潮水門

そのガードが綺麗に保たれているという事は、幸い事故が起きていないという事か。

黎明大橋から朝潮小橋を眺める

水門の間から下流を見渡すと、朝潮小橋が望める。
この橋は、両岸に出来た新しいマンション群の住民の為に造られた歩行者専用のものらしく、もちろん僕は初めて見る。外見は華奢で頼り無さそうだが、朝潮運河の一番下流にあり、海までの景色を遮るものが無い。
そして、僕が行ってみたい場所は、その先にあるのである。

運河の岸へ下りる

黎明大橋の晴海側に渡り切ると、当然昔とは全く違う景色が広がっていた。
昔と言っても僕の知っている昔なんてせいぜい2003年が4年の事であるが、それでも今とは全く違う。
以前はこの辺に朝潮埠頭に出る鉄の門があり、しかしその使用目的は当時すでに失われていたのか、放ったらかしにされたような廃墟同然の緑に覆われていたのを憶えている。
それが今や、高層マンションの住人の為の憩いの場の様になっている。

朝潮小橋
朝潮小橋

階段を下りて、明るい河岸の歩道に出てみた。
朝潮小橋が間近に見える。

朝潮小橋から朝潮水門と黎明大橋を望む

朝潮小橋から朝潮水門と黎明大橋を望む。
その上流の橋も重なって僅かに見える。
大橋の右側奥に広がる緑は黎明橋公園の木々である。

朝潮小橋から朝潮運河出口を望む

180°目を転じれば、運河の先の東京湾が垣間見える。
正面の対岸は芝浦埠頭。その向こうの折り重なって見える道路はレインボーブリッジとゆりかもめのレールである。
その向こうのビル群は、方角的に品川辺りか。

朝潮運河沿いからTOKYO TOWERSを望む

朝潮小橋を下りて運河沿いの歩道を先端に向かって暫く歩き、振り返ればTHE TOKYO TOWERSのミッドタワーとシータワーが蒼空に向かって聳え立っている。
しかし、僕が勝手にイメージしていたこの辺りの天気は、冷たい雨だ。

工事中のフェンス

歩道はその先の工事の為に遮られている。
この埋立地の先は、東京オリンピックの選手村建設予定地の筈だ。


昔の朝潮埠頭の写真

そして、これが当時僕がこの辺で撮った写真である。
朝潮埠頭の手前の使用目的不明の空き地。地面がへこんで雨水が溜まっている。
左の彼方にはレインボーブリッジが見える。

昔の朝潮埠頭の写真

これは朝潮埠頭の入口にあった建物。
どの辺だったのか現地で考えてみたのだが、れいめい橋公園通りからまずこのエリアに入り、その先に朝潮埠頭があったのではなかったかと思う。

昔の朝潮埠頭の写真

こちらも同じく。
今は何の建物なのか調べ様も無いが、この写真を見る度に堪らない懐かしさがこみ上げる。これらがあったのがちょうど、工事中で仕切られたフェンスのすぐ先だった様な気がするのである。

朝潮埠頭はどんどん変わっていく。
埠頭としての役目はもう残っていないのかも知れないが、しかし、運河としてその名を留めている。

朝潮運河から豊海埠頭を臨む

対岸の豊海埠頭はそれほど変わっていない気がするのだが。
ちょっと行ってみよう。





豊洲を散歩した時のブログは → 豊洲今昔 (2018年6月12日の記事)


こちらも合わせてご覧ください。

豊海埠頭散歩

晴海埠頭今昔


それでは、今回はこの辺で。
また次回もよろしくお願い致します。

YouTubeのチャンネル登録をお待ちしています。→ こちらからどうぞ


ランキングに参加しています。こちらをクリックしていただけると嬉しいです。
   ↓

0 件のコメント:

コメントを投稿